羽田空港のC滑走路に着陸した日本航空の機体と海上保安庁の航空機の機体が衝突して炎上しました。
JAL機の詳細
衝突したJALの旅客機はJAL516便（A350-900）、北海道の新千歳空港から羽田空港までの便です。乗員12名と乗客を合わせて379名が乗車していましたが、すでに全員が脱出しています。（17人が怪我をしたという情報があります）
JAL516は本来は新千歳空港を15時50分に出発し17時35分に羽田空港に到着する予定でした。実際に新千歳を出発したのは16時16分でした。事故があったのは17時47分頃と報道されています。18時5分に乗客全員を安全な場所に移動して午後10時45分時点で乗客の怪我の状況などを確認しているとのことです。A350-900の13号機は2021年に導入されたばかりの新鋭機です。
海上保安庁機の詳細
一方で海上保安庁の航空機は今回の石川県における地震災害への救援物資を新潟に輸送しようとしていた海上保安庁羽田空港基地所属のMA722、みずなぎ1号（ボンバルディアDHC-8-Q300,JA722A）です。機長か怪我をしていますが怪我の状態は分かりません。他の5人は発見されたという報道はありましたが、容体は不明です。
羽田空港は少なくとも午後9時までは全滑走路の利用ができなくなっています。（羽田空港フライトインフォメーションを見るとほとんどの便に欠航の文字が並んでいました）
脱出用シュート
羽田空港からのライブ映像を見るとJAL機の乗客はエンジン付近が炎上している中、脱出用シュートを使って次々に飛行機から出てくるところが撮影されていました。
なお、緊急脱出用シュートはアメリカ連邦航空局および、欧州共同航空当局の規定で片側の非常口から90秒以内に乗客全員が脱出できることが絶対的な条件とされています。もちろん、JALの乗務員の日常における訓練の成果、非常口前に座っていた乗客の協力もあって全員の脱出成功ができたのでしょう。
飛行機の安全性
今回の事故原因はこれから明らかにされますが、鉄道などと比較すると航空機の安全性がどこまで担保されているのか、とても不安になります。管制官の指示に誤りがあったとしても、どちらかの航空機でミスがあったとしても、他に原因があったとしても、人間の能力だけに委ねているのは限界があると思います。鉄道であれば赤信号を運転手が見落としても列車が自動的に停止する仕組みがあります。
航空機にも管制室から「待機」の指示が出ているときは、コクピット内で安全装置を解除しない限りは動かせないような仕組みは出来るのではないかと思います。飛行機についても人間の判断を補助する形で機械が活躍できる場面は作れるのではないかと願ってしまいます。
JR東海は臨時の東海道新幹線を運転
羽田空港が滑走路閉鎖となっていることに伴い、JR東海は東海道新幹線で1月2日に臨時ののぞみを運転することを発表しました。
東京駅発21時42分発 新大阪行 のぞみ269号
新大阪駅発21時50分発 東京行き のぞみ262号
あまりにもJR東海の判断が早かったので驚きました。
日本航空が会見
午後10時45分から日本航空の役員2名が記者会見を実施します。記者会見場にはたくさんの記者がノートパソコンを開いてスタンバイしています。現時点では原因に関する確定的な情報は答えられないのではないかと思います。
最初に役員から事故に対する謝罪がありました。続いて席に座って事故に対する概況の説明がありました。
管制官からの着陸許可の有無などについては、「自己調査中のため核心的な部分についてはお答えできない」として、日本航空からは具体的な回答はありませんでした。また、少し踏み込んだ内容としては、「現状は着陸許可は出ていたと認識している」と説明しています。乗員からの聞き取りをもとに「滑走路に通常どおり進入し、通常どおりの着陸操作を開始したところ衝撃があって事故に至ったことを確認した」ともしています。JALの同席者からは「確認中ですよね」といった会話もあったので、少し踏み込みすぎていたと思います。（今後の調査結果でJAL機のミスがあった場合はJAL側の齟齬に焦点があたってしまうため）
機長に関する質問もありましたが具体的な回答はありませんでした。日本航空の認識としては通常通りに滑走路に着陸したと説明しています。
【2024年1月3日追記】
海保機のミス？
NHKによると、「この事故で、国土交通省が確認したところ、事故の前、管制官からは、
▽日本航空機に対して滑走路への進入許可が出ていた一方、▽海上保安庁の航空機に対しては滑走路手前まで走行するよう指示が出ていたことが国土交通省関係者への取材でわかりました」と報道されています。この記事の内容を見る限りは海保機の誤侵入を疑わせますが、現時点では聞き取りの内容からの判断かと思いますので、今後の録音内容の解析などの結果を待った方が良いかもしれません。
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