最近では右も左も経済関係のニュースでは新NISAの話ばかりになってきました。また、これから投資を始めようとする人に対して、誤解を与えかねない記事も増えていると思います。たとえば、WELTH ADVISERというサイトの記事に「全世界株式インデックスのトータルリターンは1年間で31%、新NISAのスタートで投資の第一歩を」というタイトルの記事が掲載されました。タイトルだけを読むと、これからも全世界株式インデックスに投資すれば1年間で31%の増加が見込めるのではないかと淡い期待を描いてしまいます。
しかし、昨年1年間の各市場の値動きと、今年1年間の値動きがまったく同じとは限りません。逆に今が高値で株価が下げてしまう恐れもあります。バブルのときもずっと株価が上げ続けるのではないかという幻想がつきまといましたが、バブル崩壊によってその幻想は打ち砕かれました。
同じ記事の中をよく読むと、
- 投資の開始にあたっては、投資する資産の過去の値動き等をしっかり確認した上で、投資対象商品を決定したい
- 「NASDAQに上場する銘柄への投資」が大きな投資成果をあげた
- パフォーマンスの良し悪しは、その投資したタイミングの良し悪しによっても印象が大きく異なってくる。
といったことが書いてありますので、全世界株式インデックスがこれからも同じように上がるとは限らないと読めます。また、生活に必要な資金まで含めて一気に大きな金額で投資するのではなく、毎月何万円かずつで積み立てることでリスクが最小限にできるということも紹介されています。元本割れしたときに狼狽売りをしてしまって損失が確定するようなことを避けるために、余裕資金の中で投資をすること、そして10年、20年という長いスパンの中で息長く投資を続けていくことが大切なのでしょう。
今回の新NISAは良かったのか悪かったのか、世界的に株高の時期に始まったので、多くの人の関心をひくことができたことは間違えありません。しかし、これから株式の相場が落ちてしまった場合は、国民の心理にも大きく影を落とす結果になるので景気に直結してしまうかもしれません。政府も微妙なかじ取りを求められていると思います。
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