楽天グループから面白い発表がありました。2023年12月31日現在で楽天グループの株主だった人に対して株主配当を行わない一方で、その時点の全株主に対して、月間30GB分の楽天モバイル音声通話付きeSIMを1年分提供します。
楽天グループは2023年12月期の最終赤字は3394億円となっていて、この状況で配当を行うのは会社の価値を損なうだけでなく、株主にとってもマイナスになります。だとすれば、すでに保有している資産を有効活用してもらって、もしよかったら1年後に契約してもらおうということなのでしょう。ちなみに、2023年6月30日時点の株主数は52万1167名です。
2023年12月26日時点でeSIMの配布は発表していましたが、当初の内容は最短3ヶ月、最長半年で音声通話に対応していないデータeSIMの配布という内容でしたので、かなり優待の内容が良くなっています。月3000円×12ヶ月分の価値がありますのでお得だと思います。(株価が1株あたり631円、通常は単元の100株単位の取引なので63,100 円となります)
しかし、今から楽天グループの株を買っても手遅れです。あくまでも昨年12月の権利確定日で楽天グループの株を持っていた人だけが対象です。先行申込期間は3月上旬から下旬、eSIMの送付時期は4月下旬頃から順次、eSIMが利用できるようになるのは5月1日からとなります。今年の12月の権利確定日を基準にして同じ内容の株主優待が行われるとは限りません。
権利を持っている人がSIMカード(物理SIMカード)の利用を希望する場合は3月上旬から下旬にかけての先行申込期間に株主優待専用サイトで申し込んでから、さらに株主優待専用ダイヤルで3月29日までに申し出る必要があります。
あえて、物理SIMカードの配布に関して厳重な対応をしているのは、転売等を通じて犯罪などに使われてしまうことがないように厳重な個人のチェックが行われるものと思います。
もしも、昨年12月中旬頃にこの発表をしていたら、買い注文が膨らんで楽天グループの株価が上がっていたかもしれません。
【2024年7月1日追記】
無事に株主優待の手続きが終了し、現在は株主優待SIMをメインで利用できるようになりました。今まで使っていた個人用SIMと基本的に繋がりやすさなどの時間は一緒ですが、その月にどれだけ通信をしたのか実績を照会する手段がないのは不便かもしれません。ただ、毎月30GBもの容量が利用できるので、今まで通りに普通に使っている分には容量不足で困ることは無いと思います。
先日、楽天モバイルからはプラチナバンドによる電波の商用サービスが始まったことも周知されました。今後、繋がりやすさがどの程度改善するのかを観察していきたいと思っています。
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