携帯電話が普及し始めた当時は固定電話はそのまま解約せずに使い続けることが主流だったと思います。子どもの学校の電話連絡網に携帯電話の番号を登録するのは躊躇いがあり固定電話の番号を登録することが一般的でした。また、電話料金も圧倒的に固定電話の方が安かったのも理由の一つだと思います。
しかし、世帯を持っても固定電話を設置しない家庭も増えてきて、ここ20年くらいの間に固定電話は急速に廃れてきている感じがします。今となっては知人からの連絡はほぼ全て携帯電話にありますので、固定電話にかかってくる電話は詐欺かセールス、政権の支持率調査などばかりになってきました。電話がかかってきたときに受話器をすぐにとっても仕方が無いので、いったん留守番電話で受けさせて、留守電にメッセージが残っていたら要件を確認するような使い方になってしまっています。
逆に発信に関しては、受け取りが出来なかった宅配便の再配達の申し込みに固定電話を使うことが多いです。
こちらに総務省調べの固定電話の加入契約者数の推移があります。
固定電話全体の加入契約者数は毎年減少傾向で、2009年には5,787万契約ありましたが、2020年には5,284万件まで減少しています。棒グラフの一番上にある水色のNTT東西加入電話は激減と言っても差し支えない状況です。NTT東西加入電話は1997年11月の6322万件をピークにその後は減少、2024年3月末の契約数は1241万件にまで減少する見通しです。近年では毎年150万件ずつ減少していて、ここ数年で1000万件を切る想定です。
一方で、オレンジ色の0ABJ型IP電話は増加していることが判りますが、2017年以降はほぼ横ばいに近い状況になっています。0ABJ型IP電話とは、日本の電話番号の標準形式の一つで、一般の加入電話(固定電話)に割り当てられる、0から始まる10桁の電話番号を利用することができるIP電話ということで、NTTで言えば「ひかり電話」がこれにあたります。
ADSL回線を使っていた頃までは、NTT東西の加入電話が使われていますが、光ファイバーサービスの契約者数が増えるにつれて、それまでのメタル回線での契約からIP電話となる「ひかり電話」への乗り換えが進んできた状況です。しかし、固定電話の加入契約者数全体が毎年落ちてきていることから、0ABJ型のIP電話も今後減少の傾向になると推定できます。
固定電話を解約した時のデメリットはこちらのことが考えられそうです。
- 固定電話の番号しか知らない昔の友人、知り合いなどからの電話を受けることが出来なくなる。
- 銀行や証券会社に届けている電話番号が固定電話の場合は、電話番号の変更の手続きが必要。
- 通話料金が高くなる。
- 一部の無料通話が利用できないケースがある。
- 災害時に携帯電話回線が使えないときに電話をするための別手段がなくなる。
迷惑電話を受ける機会が減るメリットに合わせて、私の場合、固定電話については「0ABJ型IP電話」のうち、「ひかり電話」を使っているので、毎月550円の基本料金を払っています。上記のデメリットとこれらのメリットを天秤にかけたとき、どうすれば良いかという問題になりそうです。
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