楽天モバイルは参入時期が一番後だったこともあり、繋がりやすいと定評があるプラチナバンドの周波数帯を割り当てられていませんでした。プラチナバンドは700MHz、800MHz、900MHzの周波数帯を指します。この帯域は、ビルなどの障害物を避けて電波を送る特性があり、携帯電話やテレビ放送の中継に利用されます。
楽天モバイルはプラチナバンドの周波数帯を確保することが悲願でしたが、総務省は2023年10月に楽天モバイルへのプラチナバンドの割当を発表しました。今回、割り当てられる予定の周波数帯域は、700MHzの3MHz幅×2。端末側は715MHz~718MHz、基地局側は770MHz~773MHzを用いることとなっています。(認定期間は認定の日から10年間)
これで、楽天モバイルはプラチナバンドが利用できるようになりましたが、いつから契約者が利用できるようになるのか?については遅れ遅れになっているイメージがあります。
特に楽天モバイルとしては、明確に何時から始めるとコミットしたような見解を公式の場で説明したことはないとしていますが、いつも期待させるようなニュアンスの発言を実施してきました。
年内に最初の電波が発射できる?
2023年8月10日の決算説明会の中で、楽天モバイルの鈴木和洋CEOは、2023年秋に割り当てが決まれば、年内に最初の電波を発射できる見通しだと説明しています。
しかし、10月に割り当てが発表されても年内にプラチナバンドでの運用が開始されることはありませんでした。2024年1月25日に開催された「楽天新春カンファレンス2024」が終わったあとの記者からの囲み取材の中で、基調講演に登壇した三木谷浩史会長からは「今年の5月からプラチナバンドを投入していく」と説明しています。
2024年の夏ごろにサービス開始
2024年3月に開催された「Rakuten Mobile Business Innovation Summit」の中では、同社代表取締役 共同CEOの鈴木 和洋氏が「今夏ぐらいには何とか開始」と発言して報道されています。どんどん、プラチナバンドのサービス開始時期が遅れています。
楽天モバイルとしては、プラチナバンド獲得を武器にして契約者数を伸ばしたいものの、決して導入に向けた計画が順調に進んでいるわけでもなく、口を濁したような発表しかできないのかもしれません。
ただ、「いくら具体的には時期を発言していない」と言っても、これだけ消費者に期待を持たせて、さらに夏よりも開始時期が遅れると、集団訴訟等、非常に厳しい状況にさらされる可能性もあります。今後はプラチナバンドのサービス開始時期については本当の意味での目処がたつまで慎重な発言が行われるかもしれません。
【2024年7月1日追記】
プラチナバンドの商用サービス開始
楽天モバイルから念願のプラチナバンドによる商用サービスが開始されたことがリリースされました。2024年3月時点で「今夏」と発表していた時期よりは少し前倒しでのスタートとなりました。
しかし、利用者にとって大切なことは、プラチナバンドのサービスが開始されたかどうかではなく、電波が繋がりやすくなったかどうかです。楽天モバイルとは2つの回線契約を持っていますが、著しく繋がりやすくなったという実感はまだありません。
当然、基地局ごとに徐々にプラチナバンドの電波を発射している場所を増やしていると思いますので、今後の改善に期待します。
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