JR東日本は5月8日の定例会見で、みどりの窓口の削減方針をいったんは凍結し、当面は現状を維持することを発表しました。JR東日本では2021年4月時点で管内の440駅にった「みどりの窓口」を2024年1月時点で247駅までに減少させました。さらに2025年までには2021年の約3割にあたる140駅に減らし、年間約25億円の人件費を削減する予定でした。
みどりの窓口の削減と利用者の不満爆発
ところが、昨年あたりから窓口の混雑に対して不満の声が多く上がるようになりました。
特に4月を前にして定期券を購入する人の列がとんでもないことになっていたのは報道もされていました。
JR東日本はインターネットや券売機の利用を代替手段として提供していましたが、なかなかJRのキップの購入、変更、払い戻し、定期券の購入などは誰でも簡単にというわけにはいきません。窓口でしかできない手続きもありますし、どうしても、窓口で購入したいという人もいます。
みどりの窓口でしかできない手続き
私もえきねっとで購入した名古屋までの新幹線の乗車券、特急券をすでに紙のチケットに変えていたのですが、当日朝に台風の影響で出張が困難になりキャンセルしようとしたところ、えきねっとでは手続きができない事象に遭遇しました。新幹線の発車時刻までに最寄り駅で証明をもらって、後日、みどりの窓口でキャンセルの手続きをしたことがあります。なんで、えきねっとで購入した切符がえきねっとでキャンセルできないのか、とても不満に感じました。その際のレポートはこちらです。
JR東日本では列に並んでいる人の要件を確認して自動券売機に案内するような取り組みもしていましたが、窓口の長蛇の列を解消する決め手とはならず、今回の削減方針凍結という結果になりました。必要に応じて、廃止したみどりの窓口の復活についても検討するとしています。(発券システムが残っている十数駅が繁忙期における復活の検討対象)
昔は旅行センターもあった
昔は主要駅には、みどりの窓口とは別に「旅行センター」がありました。手続きに時間がかかる一般周遊券の発行や旅の相談は旅行センターでしていました。その後、びゅうプラザと改称されて、さらに合理化が進んで、駅たびコンシェルジュとなっています。この窓口は東京都内では9箇所にしか残っていません。みどりの窓口に目的地だけを決めて、列車の時間や降りる駅は駅員と相談しながら決めようという考えのお客さんも今はみどりの窓口に集中してしまいます。インバウンドのお客さんからの相談も受けなければいけません。みどりの窓口のお客さんへの対応時間が延びて、行列が長くなることに拍車をかけてしまいます。
今はインターネットで旅行手配をする人が増えて、窓口での旅行相談は採算がとりにくいことがあるとは思うのですが、JR自身で窓口を増やす方針でないのであれば、JTBや近ツリ、日本旅行などを駅内に誘致して営業してもらうといった対策が必要だと思います。
方針変更の意思決定
現状、無理にみどりの窓口削減を推し進めれば混乱に拍車をかけるのは自明でしたし、SNSなどであれだけ大行列が批判されていたのに対して、方針の変更を決めるまでの時間がかかり過ぎていると思います。
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