国がフロッピーディスクの撤廃を実行完了するのにどれだけの期間を必要とするのか

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 河野デジタル大臣が6月14日の閣議後に行われた記者会見で、フロッピーディスクによる文書申請などを定めた法令1034条項の撤廃が月内に完了することを明らかにしたことが報道されていました。

 1034件の手続きのうち1033件で見直され、残る1件も環境省が省令改正の手続き中となっています。最後に残ってしまった環境省の省令改正はデジタル庁から「急げ」と号令がかかっているのかもしれません。

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フロッピーディスクの撤廃とデジタル化が一歩進んだ?ことの関係

 河野大臣は「デジタル化が一歩進んだ」と語られたようですが、フロッピーディスクの撤廃が本当にデジタル化なのかというと少し疑問が残るところです。(実質的にフロッピーディスクで申請することができないので、紙で申請している場合が多いということなので、そこから考えるとデジタル化なのかもしれません)

 実はフロッピーディスクは国内メーカーが2011年までに生産を完了していますので、流通在庫を手に入れるしかありません。フロッピーディスクドライブが付いているパソコンも中古品を除いては手に入れることが困難ですし、USBなどに接続するタイプのフロッピーディスクドライブも目にする機会が本当に減りました。

2022年8月に電子記録媒体指定の見直し方針を発表

 もともと、河野デジタル大臣は2022年8月に電子記録媒体を指定している許認可や届け出などの行政手続きをオンラインで出来るようにするための方針を明らかにしていました。それから、約2年も経過してようやくフロッピーディスクの撤廃に目途が付いたことになります。

 フロッピーディスクやCD-ROMといった媒体を使うことを指定している法令を改正し、オンラインで手続きできるようにすることは、もちろん重要です。しかし、これからも技術の進歩により、法令で指定されている手段を見直さなければいけないことが度々発生することになるでしょう。

 今回のフロッピーディスクによる申請を撤廃するのに2年間かかったのは、法令を改正する以前に関係機関等との調整にもずいぶん時間を要したのではないかと思います。これから同様の変更を実施する際に、また二年の歳月をかけて調整や修正するのでは、とても技術の進化に追いつきません。

本当に必要なことは法令等の改正に要する期間を大幅に削減するためのデジタル化かも

 本当に必要なことは、技術の進化等に伴って膨大な政令に手を入れなくてはいけなくなったときに、2年もの歳月をかけずに、いかに迅速に調整、申請ができるようにするか、その基盤の整備が大事なのではないかと思えてなりません。

 なお、フロッピーディスク撤廃以外のインフラの目視点検や職員の常駐義務などのアナログ規制見直しでは、対応が必要な6364件のうち4332件、告示や通知、通達に基づく規制は1758件のうち1206件で、それぞれ見直し済みとのことです。

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