楽天モバイルがプラチナバンド「700MHz帯」の商用サービスを開始

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 楽天モバイルが念願のプラチナバンドを用いた商用通信サービスを6月27日から開始したことを発表しました。2023年10月23日に総務大臣より700MHz帯のプラチナバンドの割り当てを受けましたが、それから約8ヶ月での商用サービス開始という形になります。2024年4月30日からは試験用電波の発射をしていました。5月14日の決算発表では「6月ごろの開始を目指す」と発表していましたので、ギリギリ6月に間に合ったイメージです。

 プラチナバンドは建物の影や地下街など電波が届きにくい場所でも比較的電波が回り込んで掴みやすくなると言われています。今までプラチナバンドを使っていなかった楽天モバイルはパートナー回線を通じて弱点を補強していましたが、自社でプラチナバンドを持つことができれば、大手キャリアに一歩近づくことができます。自社のプラチナバンドは当初は主に都市部における電波の繋がりやすさを改善するため(カバレッジホールを埋めるため)に用いる、および関東から提供を開始し全国へは順次拡大していくとしていますが、現時点ではどこの基地局からプラチナバンドが発信できているのかは判りません。しかし、貴重な一歩だと思います。

 従来、地下鉄に乗車しているときなど、楽天モバイルと回線契約したSIMを搭載しているスマホでデータ通信をしている際に一部の区間で電波が繋がりにくい場所がありました。プラチナバンドの商用サービス開始によって改善されるのか否か、効果に非常に興味があります。

 楽天グループは基地局増設などへの投資が嵩んで赤字決算を続けています。これから全国へプラチナバンドの回線を広げていくことにあたって、楽天モバイルはどの程度の追加投資が必要になるかが気になるところです。楽天モバイルでは既存の基地局に無線機だけは700MHz対応装置を付けるものの、それ以外の部分はデュアルバンド対応アンテナやOpen RAN対応の仮想化ネットワークによって共通化できるため、コスト面で圧倒的に強味を発揮できるとアピールしています。プラチナバンドの周波数割当時に公表した約500億円の投資計画で十分に構築可能とあらためて説明しています。(投資額が膨らむと単月黒字の採算ラインにのせるのが難しくなるので、大事なところです)

 今後、楽天モバイルの繋がりやすさを消費者が実感できれば、契約者数拡大につながっていく好循環が描けます。すでに700万回線の契約を突破したことを発表していますが、単月黒字の採算ラインにのせるためには、まだまだ契約数の上積みが必要なので、今後の楽天モバイル利用者の反応が気になるところです。

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