日銀金融政策決定会合の状況を受けて、各金融機関でも動きが出てきました。まずは三菱UFJ銀行が短期プライムレートを従来の1.475%から1.625%に引き上げることを発表しています。短期プライムレートが引き上げられるのは実に17年半ぶりのことです。
あわせて、円建ての普通預金の金利を0.02%から0.1%に9月1日から引き上げます。
一時、為替も1ドル150円を割る円高ドル安にもなりましたので、日米金利差が縮まることは、やはり為替の過度な円安を是正する効果は高いようです。
短期プライムレートが引き上げられた際に直結するのは、変動型の住宅ローン金利です。すでに一部の金融機関で変動型住宅ローン金利を上げることを発表していますが、三菱UFJ銀行でも9月以降に住宅ローン金利が上る可能性が高いです。
住宅ローン金利に関しては他の金融機関においても金利の引き上げが相次いで発表されることが想定されます。
日銀の植田総裁は質疑の中で住宅ローンに関する質問の中で下記のように答えています。
「(利上げは)賃金上昇が続くという見通しの中で判断されている。変動金利型住宅ローンについてはいわゆる『5年ルール』があり、金利自体が上がっても利払い額は5年間据え置かれるものが多いと認識している。そのため、5年間賃金が先に上がり、そのあと利払い額が上がるということで、負担も大きく軽減されると認識している」
確かに、返済額が据え置かれる借り入れから5年ごとのルールはあるのですが、これは返済額の激変を緩和するルールであるため、金利が増えた時の総返済額の増加を抑制できるものではありません。
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