東京都の中ではなぜ練馬区の気温が上がりやすいのか?

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 7月に入ってから東京は梅雨にも関わらず暑い日が続いています。そんな東京の中でも練馬は気温が高くなりやすく、よく最高気温が紹介されます。なぜ、練馬の名前ばかりがよく出てくるのでしょう。

 2004年以降は汐留地区をはじめとする臨海部の巨大ビル群が海風を遮ってしまい、内陸部の気温上昇に拍車をかけてしまったとも言われています。練馬区の公式サイトにも下記のQAがありました。

質問4847:ニュース等で練馬の気温がよく報道されるが、特に暑い理由がありますか。

23区西部の内陸では、気象庁が代表地点として練馬区内にアメダス観測所を設置しているため、気温のデータとしては「練馬」と表示されています。練馬だけが特に暑いということではありません。練馬の気温が高くなる原因については、海岸から距離があり、海風による冷却効果が機能しにくいこと、海風が都市域を通過する間に、ヒートアイランド現象の影響で空気が加熱され、高温の空気が押し流されてくることが考えられています。 
なお、練馬区周辺他区にアメダスはありません。

 「なお、練馬区周辺他区にアメダスはありません」という注記が気になったので、よくよく調べてみました。すると、東京西部におけるアメダス気象観測点は以下の7ヶ所しかありません。確かに練馬区の周辺には観測点が無いことが判ります。(そのほかは、都心、羽田、島しょ部)

  • 練馬 ねりま(練馬区石神井台)
  • 世田谷 せたがや(世田谷区岡本)
  • 府中 ふちゅう(府中市幸町)
  • 八王子 はちおうじ(八王子市元本郷町)
  • 青梅 おうめ(青梅市新町)
  • 小河内 おごうち(西多摩郡奥多摩町原)
  • 小沢 おざわ(西多摩郡桧原村)

 したがって、練馬区の周りの杉並区、武蔵野市、西東京市なども、本当はそれ以上に暑い可能性もあるということになります。上記の観測点を見る限り、八王子、青梅、小河内、小沢は多少は涼しい地域と思われるので、練馬、世田谷、府中の三カ所の暑さ勝負ということになりそうです。

 2024年7月9日には府中で39.2度を記録したという報道がありました。観測点で史上初の暑さとのことです。まだ梅雨が明けたわけでもないのに、暑い日が続いていて、身体の調子を崩してしまいそうです。府中でも暑いということになると、練馬だけが暑いわけではなく、練馬から府中にかけての東京西部の自治体は同等に暑い可能性が高いです。

 多摩地区に住んでいる人は、暑いのは練馬だけと他人事のように思わないで、自分が住んでいる地域も危険だという意識を持った方が間違えなく良さそうです。

 気象庁も人口が多いエリアについては、練馬区だけが暑いという誤解を国民に与えることなく、きめ細かく観測ができるように、各市区町村に一カ所くらいの観測点を設けても良いとは思うのですが、やはりコスト的に難しいのでしょうか。

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