NISAは2014年1月にスタートした「少額投資非課税制度」です。通常は株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合は、これらを売却した際に得られた利益や配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税になります。(NISA口座で投資できる上限金額あり)
2024年1月には旧NISAから非課税投資枠や非課税保有期間の拡大などが行われた新NISA制度がスタートしました。よくテレビ番組などでも紹介されたこともあり、投資に興味を持つ人も増えています。そんな中で、NISAを使用した投資に対して警鐘を鳴らす記事も増えてきました。特に現在の米国や日本の株価はかなりの高値圏で推移していることもあり、今後は株価下落に伴う時価の減少リスクがあること、特にシニア世代ではこの時価が減少しているときに換金せざるを得なくなったときに資産が目減りするリスクが紹介されるようになりました。
また、NISA制度では資産のリバランスを行いにくいという欠点も紹介されています。新NISAで商品を売却した場合、翌年度以降にしか売却した商品の簿価(取得金額)分の枠が復活しません。株価が下落しそうな局面で一旦株式や株の組込み比率が高い投資信託を売却してリスクが低い債権などに切り替えようと思っても、該当年度の枠がいっぱいのときには新たに購入する債権などは約20%の税負担が必要な枠で購入することになってしまいます。
例えば、信託報酬率が低い「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」といった投資信託に入れておけば、8資産均等は、各資産(国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リート)に1/8ずつ均等投資し、毎年末に各資産1/8になるようにリバランスしています。例えば、ある年に国内株式の株価が大きく上がって国内株式の比率が1/8を超えてしまった際には、国内株式は1/8になるように減額して残りは別の各資産に振り分けて投資されます。このような投資信託であれば当初購入した際のNISAの枠内でリバランスが行われるので、無駄に当年の枠を消化してしまう心配はありません。しかし、自分の考えで各資産の比率を変えたり、一部の資産だけを換金したりする自由度はありません。
今一つ、自分で独学してネット証券でNISA対象商品の買付を実施するとしてもNISAの仕組みが難しいですし、証券会社や銀行などの窓口で相談すると、信託報酬率高めの商品を薦められそうな気もします。ロボアドバイザー「WealthNavi」などに預けておく方法もありますが、手数料は預けた資産の税込1.1%という金額をどう考えるかということになります。右肩上がりで株価が上がっていたときは良かったのですが、今後の局面ではどう考えれば良いのか難しくなってきました。
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