予想が二転三転しているノロノロ台風10号の今後の進路

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 ここ数年、技術の進歩で台風の予想進路がなぜここまで正確になったのかと驚くことも多かったのですが、2024年8月下旬の台風10号に関しては、予想が大きく外れ続けていて、やはり自然現象の予報は難しいのだということを感じさせます。

 この台風、8月22日の時点では、8月27日に紀伊半島へ上陸するのではないかと予報されていました。しかし、その後、台風の進路はどんどん西側に変わっていきました。結果、8月28日午前4時の段階でも奄美市の北東約80Kmの海上に居座り、ゆっくりとした速さで北北西へと進んでいます。中心の気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル、中心から半径110Kmの範囲内は風速25メートル以上の暴風となっています。

 進路についても、8月27日の段階では予報円の中心は能登半島から佐渡島の方を通るルートでしたが、一晩経って8月28日になってみると午前10時段階で、さらに南側、群馬県など本州の中心方面に向かうように進路予報が変わりました。

 進路だけではなく、このスピードの遅さも予想が難しく、台風の中心が関東に来るのは9月1日(日)になると予想されています。

 台風10号は非常に強い勢力に発達していて、奄美市の北東80Kmにある状況においても、九州はもちろん、西日本から東日本にかけて大気の状態が大きく不安定になっていて、ときおり激しい雨が降っています。静岡県の東名高速道路、新東名高速道路では8月28日の段階で通行止めの措置が行われていますので、その影響範囲の広さには驚くばかりです。

 気象庁は8月28日の朝に実施した緊急記者会見で、「鹿児島県に暴風 波浪 高潮の特別警報を発表する可能性」を呼びかけました。速度が遅いため同じ場所に長時間にわたって被害をもたらす可能性が高く最大級の警戒が必要です。

 台風を要因とする特別警報は「伊勢湾台風」級(中心気圧930hPa以下または最大風速50メートル以上)の台風が接近または上陸すると予想される場合に発表されるものです。

 なお、国土交通省によると、8月28日午前5時の時点で大雨に備えて事前放流を実施しているダムが全国で51カ所、それ以外の76のダムでも事前放流の容量を確保しています。ダムの洪水調節容量には限度があるので、雨が長時間に及ぶ場合などには流量を抑制できなくなる可能性もあるため、早め早めの避難を検討してほしいと呼びかけています。

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