会計検査院が公立高校タブレット端末 3分の1が使われていないことを無駄と指摘

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学校の生徒や児童に1人1台のコンピュータと高速ネットワークを整備して教育に活かすGIGAスクール構想の一環で国の補助金を使って全国公立学校には9万5000台ものタブレット端末などが導入されました。しかし、会計検査院の調べでは、このうち1/3が一度も使われていない上に、少なくとも1万3000台が今後も使われる見込みがないことが分かりました。

家計が厳しく奨学金を受給している生徒などに貸し出す端末を購入するため、1台あたり最大で4万5000 円を国では補助しています。このうち、16の道府県と22の市町村の教育委員会が38億円もの補助金を使って購入した合わせて9万5000台余りの今年4月までの利用状況を調べたところ、このうち34%にあたる3万2802台、投入された補助金に換算すると12億7000万円分が一度も使われていませんでした。

以前、徳島県の高校で導入したタブレットの品質が悪すぎて、バッテリーの故障などで台数が足らなくなってしまう事案が報道されていましたが、余っているタブレットはそちらに回すなど、流動的な対応はとれないのでしょうか。徳島県に関する報道はこちらで紹介しています。

最低価格方式の入札と学校タブレットの故障多発
徳島県の高校などに配備されたひとり1台のタブレット端末の故障が多発している件について、徳島県教育委員会の教育長が記者会見で謝罪したことが報道されていました。 約1万五千人の生徒に対して配られたタブレット端末のうち、3500台以上が故障で使え...

報道によれば、もっともタブレットの利用率が低く1台も使っていなかった静岡県内の自治体では、「ほかの財源でもっと性能のよい端末を購入してしまった」と回答しているところもあるようです。このような自治体は無駄になることを承知でやっているとしか思えない回答なので、何らかのペナルティが必要だと思います。

これだけの自治体で大きな無駄が生じていることから考えると、根本の原因を分析して、今後の補助金の申請方法についても見直していく必要があるのでしょう。文部科学省には再発防止策の検討を進めてほしいです。

会計検査院は文部科学省に対して、税金を使って購入した端末を放置せず、ほかの用途で活用をするよう検討を求めているようですが、中途半端に使うぐらいであれば、未使用品のうちに中古市場で売却して代金は国庫に返納したほうが良いのではないかと思います。

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