楽天グループが四半期単位の決算で5年ぶりの黒字化を発表

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 楽天グループは携帯電話事業の巨額の投資における影響で長い間、赤字に苦しんできましたが、今日の決算発表会で、2024年第3四半期(6月〜9月)の決算がグループトータルで営業利益が黒字になったことを発表しました。従来はEC事業や金融事業などは大きな黒字を計上していたものの、携帯電話事業でそれを上回る巨額な赤字があったため、グループトータルでも赤字となっていました。黒字化は2019年第3四半期以来、5年ぶりとなります。

 さらに、楽天グループ全体の売上も前年同期比8.5%増の1兆6176億円を達成しています。EC事業、金融事業が好調なことに加えて、携帯電話事業でも着実に契約件数を伸ばしていることの成果です。

 しかし、2024年1月から9月までの決算は売上は過去最高であるものの営業利益は赤字です。楽天モバイルの携帯電話事業単体で見ると利益は改善しているものの調整後営業損益は1880億円の赤字です。(前年同期は2662億円の赤字)

 携帯電話事業はまだ巨額の赤字を抱えているものの、楽天グループ全体として利益を出せるようになったことはビッグニュースだと思います。楽天モバイルの契約件数も812万件を達成したと発表がありました。8月7日時点で770万回線、9月12日時点で784.5万回線、10月18日時点で契約数が800万回線を超えたと発表していたので、1ヶ月弱で12万件を更に積み上げたということになります。ARPUが目標に届いていないため、まだ単月黒字化するためには契約件数の積み上げとARPUの増額が必要ですが、着実に契約件数が増えていることはとても嬉しいことだと思います。1ヶ月で15万回線ずつ契約回線数が増えていけば年内では830万回線程度になりそうです。

 今日の東証では日経平均が大きく下げる中で楽天グループの株価は決算発表前にもかかわらず、その期待感から上昇していました。明日の取引では今日の決算発表が投資家から見て好感されるのかどうか、株価の動きが気になるところです。

【追記】

 翌11月14日の東証における取引が開始された以降の楽天グループの株価は、小幅安でスタートしています。もっと上がると思っていたのですが、今回の楽天の発表内容については昨日までで既に株価へ織り込まれていたということのようです。

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