TBSドラマ日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」の最終回が良かった

4.0

神木隆之介さん、宮本信子さん主演のドラマ「海に眠るダイヤモンド」が12月22日(日)に最終回を迎えました。このドラマ、今は立ち入ることすら難しくなってしまった長崎県の端島(通称 軍艦島)を舞台にしたスケールの大きな演出にまず驚かされました。本当に端島で撮影しているのではないかと想像してしまうような迫力のあるシーンが多かったです。また、物語が描いた歴史も1955年から石炭産業で躍進した端島と現代の東京を同時に描きながら、両者を接近させていくという手法がとられている点も興味深いです。

神木隆之介が演じる玲央と宮本信子が演じるいづみは最終回で再び長崎へと行きます。宿泊していた部屋で玲央は当時の端島の映像をテレビに映しました。そのテレビ映像の中には、神木隆之介が一人二役で演じていた鉄平の姿も映ります。いづみは鉄平の姿を見てとても喜びますが、結局は玲央は似てないねという話しで終わってしまいました。ここまでのストーリーの中では鉄平と玲央は血縁関係があるのではないかと匂わせていましたが、それは無かったようです。わざわざ一人二役で演じさせたのは何だったのかと驚きつつも物語は進んでいきます。

玲央といづみは端島に向かい、その時の船長が以前乗船した鉄平の住所を調べてくれると約束してくれました。翌日、船長はその住所を教えてくれて、玲央といづみはその場所へと向かいます。鉄平は既に8年前に息を引き取っていましたが、住んでいた家は長崎市が運営するフリースペースとして残っていました。子どもがいなかった鉄平は住んでいた家を長崎市に寄贈したためです。生前の鉄平は長崎市のボランティアとして老人や子どもの話しを聞いていました。

この家から庭に出るといっぱいのコスモスの花が見えます。そして、そのコスモスの向こう側には遠く端島の姿が見えます。

 そんな景色を見ていたいづみの気持ちは端島へと向かい、そこでは端島に暮らす国村隼が演じる一平や沢村一樹が演じる辰雄、リナ、進平、賢将、百合子、彼らの子供たちの姿が広がっていました。そんな光景の中で、いづみの前に座った朝子が「私の人生、どがんでしたかね?」と聞きます。いづみは「朝子はね、きばって生きたわよ」と笑顔で応えました。さらに、朝子のもとに来た鉄平が、朝子にプロポーズする姿が描かれました。

 こんな話しが続く中で流れるのはテーマ曲の「ねっこ」です。「ささやかな花でいい 大袈裟でなくていい ただあなたにとって価値があればいい」という歌詞はコスモスとシンクロし、この曲は鉄平のことを歌っていたのではないかと想像できました。

 初回視聴率11%で始まりましたが、第六話では6.7%まで下がってしまいました。しかし、最終回では8.3%まで復活、良いドラマでした。

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