株式会社リクルートは2024年10月に旅行情報誌の「じゃらん」の休刊を発表しました。2025年3月号をもって休刊となります。「じゃらん」は1990年に創刊した国内旅行の情報誌です。海外旅行の情報誌は2006年に休刊となった「エイビーロード」が担っていました。
時代別の旅行予約
1970年代の旅行予約
1970年代に個人で旅行に行こうと思ったときは、日本交通公社(JTB)などの旅行代理店に行って旅程や宿泊施設の相談をして予約をしてもらったり、時刻表の巻末に付いている観光地や都市別の宿泊施設一覧を見て、直接宿泊施設に電話をして予約をしていました。
1980年代の旅行予約
1980年代になると「るるぶ」が書店に並ぶようになって、「るるぶ」を読みながら旅程を組んで宿泊施設の予約をとるようになりました。
1990年代の旅行予約
そして、1990年代になると、「じゃらん」の登場という形になりました。しかし、1995年にはWindows95の登場とともに徐々にインターネットが身近なものになり、1996年には楽天トラベルの前身となる「旅の窓口」が登場、そのほかにも多くの宿泊施設の予約サービスが登場します。このころは、インターネットが身近になったとは言っても、パソコンを使ってアクセスしていたので、まだまだ普通の家庭では旅行の手配にインターネットを使うことは少なかったです。
2000年代の旅行予約
1999年2月にはNTTドコモからiモードのサービスが始まり、iモード版の「旅の窓口」も登場しました・携帯電話でアクセスはできるのですが、画面サイズが小さく、そこまで多くは利用されていなかったと思います。
一番、インターネットが身近になったのは、2008年のiPhone日本発売に伴う、スマートフォンの普及の効果が一番大きかったと思います。2010年代はインターネットで宿泊施設を予約することがどんどん一般的になりました。従って、「じゃらん」もこの頃から厳しさを増していたのではないかと思います。
じゃらんの特集記事
じゃらんは宿泊施設を紹介するページが多かったですが、特集記事にも力を入れていました。お花見シーズンの前になるとお花見スポットの特集、夏には涼しい観光地の特集など、その季節にあった特集記事が掲載されていました。これらの特集記事は読みごたえがありました。また、色々な日帰り温泉施設の割引クーポン券を付けてくれたりして、活用したこともあります。例えば、2014年3月号は日帰り温泉施設の割引クーポン券が多数付いていました。
このように紙媒体としての「じゃらん」も健闘してきましたが、やはり時代の変化に抗うことは出来ず、2025年3月号をもって休刊という形になってしまいました。
とはいえ、インターネットの「じゃらんnet」はこれからもサービスが続けられます。紙媒体は休刊にして、インターネット版にリソースを集中することは最善の策だったと思います。
とはいえ、インターネット版の旅行代理店サービスも色々な会社で厳しい競争が繰り広げられているので、今後、業界がどのように変化していくのか見ていきたいと思います。
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